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自由に生きろと言われても。

1 常識とは何なのか

 人は誰でも、子どもの頃から築き上げてきた自分自身の常識から逃れることはできない。
それは悪いことではなく、そういう身に付けた常識によって、人は無難に社会生活を送ることができるのだと思う。
しかし、時代の変化に沿って自分自身の常識をアップデートすることは必要だと思うし、そういう社会の変化とは別に、転職などの個人的な事情にまつわる環境の変化によってもその必要性が生じたりする。

自分自身の常識は親や友人や学校の先生など、これまで育ってきた環境によるのだろうけれど、一番影響があるのは一般的には親からの影響だろう。
遺伝子を受け継いだ上に、一緒に暮らしていれば生活習慣までコピーされて、考え方まで同じようになってしまう。
会社員や公務員の子どもはサラリーマンの常識を身に付け、経営者や自営業者の子どもは事業主の常識を身に付ける。

2 これまでの常識を疑うには

 古い常識が悪くて新しい常識がよいとか、サラリーマンの常識は悪くて事業主の常識はよいとか、どちらかがよくてどちらかが悪いというものでもない。
人それぞれ置かれた環境に適応しながら、自分自身の常識を微修正して生きているのだろう。
僕の父はどちらかというと職人気質のところがあったのだけれど、多くの人が親の影響を強く受けるという例に漏れず、僕はその父の影響を強く受けて育った。

親の影響を受けていると自覚することができないほどに、その常識を自分自身の常識として継承していたので、ほとんど無意識に親の価値観に沿った選択、決定をしてきた。
何もかもほとんど100%、自分で決断しているつもりだったのだけれど、よく考えてみると、継承した価値観によって判断していたと言うこともできる訳で、そのように考え出すと、何が自分自身の価値観で何が自分自身の決断なのか分からなくなりそうである。
・転職とDNA。:https://tanakah17191928.blogspot.com/2014/02/dna.html

3 自由に生きることの意味

 遺言ではないけれど、病院で会話しているときにその父から、前後の文脈は忘れてしまったのだけれど、「お前は自由に生きればいいんだぞ」と言われたことを覚えている。
父がどういう思いでそういう言葉を僕に言ったのか、今はもう確かめようがないけれど、そういう言葉をかけておいた方がよいと、父は思ったから言ったのだろう。
政治経済学的に自由について論じるために、この記事を書こうと思った訳ではない。
下記の記事で書かなかった「これからの時代を生き残るための処方箋」について、少し補足しようと思ったのである。
・人と仕事の政治経済学、雇用を削減するイノベーションと人手不足社会。:https://tanakah17191928.blogspot.com/2018/10/blog-post_20.html

しかし、恐らくほとんどの人にとっては、期待した解答になっていないと思われるだけだろう。

4 なりたい自分になればいい

 答えを要約すると、「なりたいものになればいい」という一文になるのだけれど、YouTuberでもブロガーでも小説家でも作詞家でも作曲家でも写真家でもマンガ家でもアニメーターでも、なるのに資格が要らない職業などは自由に自称することが可能である。
・今でもあなたはわたしの光。:https://tanakah17191928.blogspot.com/2018/10/blog-post_17.html

一昔前はクリエイターに限らず、自称○○は一般的には怪しい人扱いされたけれど(今もそうなのかもしれないけれど)、今は自分の作品をインターネットで公表できるので、公表された作品自体が自称○○の証明になる。
資産になるブログをはじめたい人に伝えるおすすめの方法takahirosuzuki.com

医師や弁護士など、資格がないとできない業務や名乗ってはいけない名称はある訳で、そういう資格がないのに自称すると犯罪になるのでダメだけれど、そうでなければフリーダムである。
自称しただけではダメでしょうという冷めた意見もあるだろうけれど、自称した瞬間にスタートラインに立つことはできる訳で、そこから有名になれるか、お金を稼げるか、そこまで頑張るべきかは人それぞれ自分の価値観で決めればいいだけの話である。

5 それが趣味でも副業でも生業でも

 サラリーマンとしての収入で生活していてクリエイターとしての活動が趣味であっても、立派な作品を公表しているのであれば立派なクリエイターである。
そもそも、クリエイターとしての活動はお金が稼げなくてもやりたいほどの情熱があるだろうから、そういう人が継続的に活動して作品を公表すれば、自然とそれなりに充実したコンテンツに成長するのではないだろうか。

何が趣味で何が副業で何が生業かという問題は今に始まったことではなく、昔から本業で稼げない人たちが何かしらの副業や出稼ぎに勤しんできたのだ。
農家で稼げなくてサラリーマンとしても働いている兼業農家の方だって、堂々と農家を名乗ってもよい訳だし、兼業農家は農家を名乗るなと非難する人はいないだろう。

6 この世界が存在するのはあなたがいるからだ

 きれい事を言いたい訳ではなく、昔から偉大な哲学者たちが考究してきたことではあるけれど、この世界を理解するのに主観を重視するべきか客観を重視するべきかという議論がある。
【再掲】なぜ世界は存在しないのか池田信夫 blog
なぜ何もないのではなく、何かがあるのか(ウィキペディア)

ニーチェの能動的ニヒリズムによれば、生きることそのものには価値を認めることはできても、それ以外の価値観は人それぞれ相対的なものに過ぎない。

 その人の価値観が古い価値観と新しい価値観のどちらに近いものであろうと、今は古い価値観から新しい価値観への過渡期にあるので、どちらによって生きていくのも個人の自由だと思う。
少なくとも、今生きている人間が死ぬまでは、新しい価値観を身に付けないと生きていけないような近未来の世界が、突然現れて人類に迫ることはないだろう。

多くの人が自分自身の価値観を自己分析することなく、周囲や社会の価値観との齟齬に悩んだり苦しんだりしているけれど、結論はシンプルである。
これで納得する人は少ないかもしれないけれど。
1%の天才だろうと、99%の凡人だろうと、いずれにしても自由に生きればいいだけの話である。
・99%の凡人は天才になれないことを悟った後に、人生に何を見出すのだろうか。:https://tanakah17191928.blogspot.com/2018/10/99.html

「何をやっても自分は平均点くらい」と気づいてしまった人は、次どういう仕事をすればいいのか。Books&Apps

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