第130条【政教分離、宗教に関する連邦法の規定】、第131条【関税及び国内流通の管理】、第132条【連邦政府による不動産の取得】、第133条【各州裁判官による憲法、連邦法及び条約の遵守】、第134条【連邦、州及びムニシピオ政府による経済資源の管理】
第7編【一般的な留意事項】
第130条 国家と教会の分離という歴史的原則が、本条に含まれる規則の指針となる。教会及びその他の宗教団体は、法律に従うものとする。公共の礼拝、教会及び宗教団体に関する法律を制定することは、連邦議会の専権事項である。公共の秩序を目的とする規制法により、以下の規定を作成及び明示するものとする。:
(a)教会及び宗教団体は、関連する登録により、宗教団体としての法人格を取得する。法律により、その団体を規制し、設立登録の条件及び要件を定めるものとする。
(b)機関は、宗教団体の内部の生活に干渉してはならない。
(c)メキシコ人はいかなる宗教の聖職にも就くことができる。メキシコ人及び外国人は、そのために、法律の定める要件を満たさなければならない。
(d)規制法の規定に従い、宗教の聖職者は公職に就くことができない。市民として選挙権を有するが、被選挙権は有しない。法律の定める方式により、事前に宗教の聖職者を退いた者は、選挙に出馬することができる。
(e)聖職者は、政治的目的のために結社し、候補者、政党又は政治団体に対する賛成又は反対を布教してはならない。また、公の集会、礼拝行為若しくは宗教的宣伝、又は宗教的性質を有する出版物において、国家の法律若しくはその制度に反対し、又はいかなる方法によっても、国家の象徴を侮辱してはならない。
宗教に関連する文言又は表示を含む政治団体を結成することは、固く禁じられる。政治的性質を有する集会を、寺院において開催してはならない。
真実を告げ、契約した義務を履行するという単純な約束は、これを怠った場合、法律の定める刑罰の対象となる。
宗教の聖職者、その子孫、兄弟姉妹及び配偶者、並びにこれらの者が所属する宗教団体は、聖職者自身が霊的に指導又は援助した者であって、4親等以内の血縁関係にない者から遺言によって相続することはできない。
個人の民事上の身分に関する行為は、法律の定める条件の下で、行政機関の専権事項であり、法律の定める効力を有する。
連邦、連邦構成体、ムニシピオ、及びメキシコシティ管轄区域の機関は、法律の定める権限及び責任を有するものとする。
第131条 輸入若しくは輸出され、又は国内を通過する物品に課税し、治安又は警察上の理由により、その出所にかかわりなく、あらゆる種類の物品の共和国国内での流通を常に規制し、さらにこれを禁止することは、連邦の専権事項である。
行政府は、連邦議会により、議会の制定した輸出及び輸入の関税割当を増額、減額又は廃止し、その他の関税割当を創設する権限を付与されるものとする。また、対外貿易、国家経済、及び国民生産の安定を調整するために、又は国益におけるその他の目的を遂行するために緊急と認める場合は、輸入、輸出、並びに製品、物品及び商品の通過を制限及び禁止することができる。行政府は、各年度の財政予算を議会に送付する際に、付与された権限の行使の状況を議会に提出し、承認を得るものとする。
第132条 要塞、宿営地、倉庫、及び連邦政府が公務又は共同使用のために指定するその他の不動産は、連邦議会が制定する法律に基づき、連邦府の管轄権に服するものとする。今後いずれかの国の領域内で取得するものについても管轄するためには、それぞれの議会の同意を必要とする。
第133条 この憲法及びこれに基づく連邦議会法、並びに共和国大統領が元老院の承認を得て締結する、これに基づく全ての条約は、連邦全体の最高法規である。各連邦構成体の裁判官は、その連邦構成体の憲法又は法律にこれに反する規定がある場合も、この憲法、法律及び条約に従わなければならない。
第134条 連邦、連邦構成体、ムニシピオ、及びメキシコシティ管轄区域が利用できる経済資源は、その目的を達成するために、効率的、効果的、経済的、透明かつ誠実に管理しなければならない。
その資源の利用結果は、経済資源が前段に基づいてその予算に配分されるように、連邦及び連邦構成体が設置する技術機関によって評価されるものとする。前述の規定は、この憲法の第26条(C)、第74条(VI)及び第79条の規定を損なうものではない。
あらゆる種類の物品の取得、リース及び譲渡、あらゆる性質のサービスの提供並びに工事の請負は、価格、品質、資金調達、機会及びその他の関連する状況において利用可能な最良の条件を国家に保障するために、提案が封書で自由に提出され、公開で開封する、公募による入札によって発注又は実施しなければならない。
前段に規定する入札がその条件を保障するのに適していない場合、法律により、国家にとって最良の条件を保障する、経済性、有効性、効率性、公平性及び誠実性を認定するための基準、手続き、規則、要件及びその他の要素を定めるものとする。
連邦構成体、ムニシピオ、及びメキシコシティ管轄区域による連邦の経済資源の管理は、本条及び規制法に従うものとする。その資源の利用の評価は、本条第2段に規定する連邦構成体の技術機関が行うものとする。
公務員は、この憲法の第4編に基づき、この基準を遵守する責任を負うものとする。
連邦、連邦構成体、ムニシピオ、及びメキシコシティ管轄区域の公務員は、政党間の競争の公平性に影響を与えることなく、常に、その責任の下にある公的資源を公平に利用する義務を負うものとする。
プロパガンダは、あらゆる形態の社会的コミュニケーションであり、公共機関、自治機関、行政機関、及び政府三権のその他の機関によって流布され、制度的性質を有し、情報提供、教育、又は社会的な方向付けを目的とするものである。いかなる場合も、このプロパガンダは、公務員の個人的な宣伝を暗示する名称、画像、音声又はシンボルを含んではならない。
法律により、その適用範囲において、適用される制裁制度を含め、前2段の規定の厳格な遵守を保障するものとする。
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