宇宙の進化論。
1 宇宙論
最初に断っておいた方がよいと思うので正直に書くと、僕は物理学の専門家ではないし、数学も社会人になってから必要な範囲で、大学入門レベルまで多少学んだだけの人間である。学生時代に経済数学を少し学んだけれど、ほとんど忘れてしまっている。
中学生までは物理学に興味を持ち、図書館で青少年向けの物理学関連書を読むような子どもだった。
しかし、高校で物理学も数学も全国レベルで戦える才能はないと早々にあきらめ、潔く文系進学した。
今回、物理学の話題をメモしようと思ったのは、最近読んだ本やネット上の記事、最新の物理学的発見を目にして、自分なりに考えたことを素人なりにまとめてみたくなったからである。
専門家ではないとしても、高校まで5教科を一応勉強したのだから、子どもに自分の言葉で知識や意見を説明できるくらいにはフォローしておきたい。
2 量子重力理論
量子重力理論と言えば、日本で有名なのは超弦理論だろう。理論物理学の若手研究者が超弦理論について研究していたり、あるいは、超弦理論に魅せられてこの道に進みましたと言っていたりする。
理論的には美しく完成しているように見えるけれど、実証できないので仮説止まりだという意見もあれば、これだけ美しい理論なのだから批判者の方が論拠を示すべきだという意見もあったり、正直、素人には難しくてよく分からない。
僕は最近までこの理論が一番すごいと信じていたのだけれど、ある高名な物理学者がこの理論を批判していることを知って、この理論がまだ仮説だと言われる理由が何となく分かった。
それに対して、最近読んだ本で知ったのがループ量子重力理論である。
こんなアイデアで説明できるのかと感動した。
時空、特に時間に対する考え方、常識を覆された。
そう言えば最近、時間の矢の一方向性という、人間にとって直感的な常識を揺さぶるような発見が報告されている。
また、物理定数が場所によって異なる可能性があるという発見も報告されているらしい。
・量子実験で「時間の矢」が逆転することが実証される(ナゾロジー)
・宇宙は場所によって物理定数が異なることが判明! 宇宙人はいないの?(ナゾロジー)
3 進化論的宇宙観
宇宙を進化論的に捉える考え方がある。いろいろなタイプの宇宙が生成されて、まさに進化論的に発展してきたという世界観である。
このような世界観に立てば、それぞれの物理定数が異なる宇宙が存在し、我々が認識しているこの宇宙はその中の一つに過ぎないということになる。
これは人間原理を物理学の側から説明しているようにも見えておもしろい。
ちなみに、マルチバース宇宙論は超弦理論やループ量子重力理論の研究者に限らず、それぞれの研究者がそれぞれの仮説をいろいろ唱えていて、どの説も宇宙論やSFに興味のある人間にはおもしろいと感じられる説明だと思う。
・ユニバースからマルチバースへ(池田信夫 blog)
・人間原理という「コペルニクス反革命」(池田信夫 blog)
ループ量子重力理論の研究で有名なリー・スモーリンの進化論的な宇宙観は、非常に面白いと思った。
物理定数が異なるような色々なタイプの宇宙が、進化論的に言えば突然変異的に生成されて、進化論の自然淘汰のようなプロセスが宇宙そのものの進化にも適用される可能性があるらしい。
仮にこれが真実であれば、ミクロからマクロまでこの世のあらゆる現象を説明しうる万物の理論は、進化論だったということになるのだろうか。
・相対論の次のパラダイム、万物は進化する。:https://tanakah17191928.blogspot.com/2018/10/blog-post_12.html
4 量子重力理論の実証
量子重力理論は実証が難しいため、特に超弦理論などは美しい理論だけれどまだ仮説止まりだとされている。超弦理論に比べればループ量子重力理論の方が、観測なり実験で実証できる可能性があるとは言われている。
しかし、ループ量子重力理論だけではなく、超弦理論の現実的な実証方法も提案されたりしているらしい。
どちらにせよ、この種の理論が実証されれば、現代物理学にまた飛躍的な発展をもたらすことは理解できる。
そんなニュースが世間を騒がす日が、アラフォーの僕が死ぬまでに訪れるかどうか。
物理学も数学も高校であきらめた僕にできることは、他力本願でただ待ち望むことだけである。
しかし、マルチバースが実証されるまで長生きはできないだろうなぁ。
・この記事を英語で読む。